僕とふみちゃん

18年前に出会った僕たちは、再会しました。

受容

その日は、結局遅い時間に少しだけしか時間がとれないとふみちゃんがいうので

僕の泊まってるホテルに来てもらった。


やって来たふみちゃんは痩せていた。


「ちゃんと食べてる?」


『うん。大丈夫』



ふみちゃんの大丈夫は大丈夫じゃないからな。




彼女が好きそうなフルーツの酎ハイやケーキを買っておいたので


「食べなよ」


とそれを渡した。


『酎ハイとケーキ?ふふ ありがとう』

そういって美味しそうに食べる。


僕は、その姿を観察する。



ふみちゃんはいつにもまして、化粧っけがない。


「なんか、今日いいね」


『え?どういう意味ですか?』


「メイクかな」


『恥ずかしい…最近、ほとんどしてなくて』



ケーキを食べ終わり、チューハイを飲みながら旦那さんのことを話すふみちゃんを見ている。


ピッチが早い。


缶を取り上げる。



「ゆっくりでいいよ。話したいことたくさんあるでしょ?」



『飲んだらダメなの?』


あれ?ため口だ。


「いいよ。でも僕と一緒の時だけにしてね」


そういってうつむき加減の彼女の顔を下から覗きこんで、そっと唇を合わせた。


ふみちゃんの目があっという間に潤んで、涙がこぼれそうになった。




「もう、いいよね?」


抱きしめて発した僕の言葉に

ふみちゃんはうなずいてくれた。


「ふみちゃん、大好きやで。僕の彼女になって?」

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