魅力
その月の月末。
ふみちゃんは家族旅行に来るはずだけど
具体的な日にちは言ってこない。
ただ、僕の急な出張が決まった。
念のため、連絡してみる。
「明日、急に出張が決まったんだ。逢える?」
『え~?明日の夜から東京行き!残念(*_*)』
初パターン。
そっか。
地元に帰ったのに、彼女が横にいない夜。
侘しい。
まあ、でもせっかくだから久々に地元の友人と飲みに行く。
急な誘いでも応じてくれる、そういういう仲間は本当に貴重だ。
昔話に花を咲かせ、近況、仕事の話ができるのも男友だちならではだ。
帰りに、いつもふみちゃんと行くバーに寄ったら
閉まっていた(25時頃)
ふみちゃんにLINEしてみる
「村田君(バーテンダー)、もう店閉めてる(*_*)」
こんな時間なのに、既読になる
『今、24時までなんだよ。人手不足(笑)この間行ったときに聞いたよ』
『明日も仕事でしょ?無理しないでね』
「ふみちゃん、村田君とこ行ったの?知らなかった」
『あれ?言ってなかったかな。ごめんね。』
「あ、いや、うーん」
『ん?どうかしたの?』
「あ、いや、なんでも」
嫉妬。
いつも放置のくせに。
ふみちゃんは就職して一年がたっていて
すっかり社会人になっていた
昔のふんわりゆっくりは相変わらずだけど
飲食に関係しているだけあって、情報量は多く
会話の内容も豊富で更に魅力的になっていた
そして…以前より、圧倒的に出会いは多いだろう
見た目も実年齢より若い
3人子供がいるようには見えない
僕のふみちゃん
あ~…だったら、大事にしたらいいんだよ
僕の根拠無い安心感が崩れていきそうになっていた