僕とふみちゃん

18年前に出会った僕たちは、再会しました。

会っていないと

その後、入社一年目の僕は仕事に忙殺されていった。


2年目に香川県に転勤になった。


その前にまた、みんなで集まった。

転勤のことは黙って。



ふみちゃんは産後半年位たっていて、久々だから羽伸ばしておいでって言われてると2次会まで参加した。


幸せそうだった。


といっても、そもそも最初の店には殆ど参加をしてなかった。


カラオケして終電まで一緒にいた。


送るというのに大丈夫と言い切る彼女を無理やり改札までおくる。皆に送りオオカミになるなよと、言われながら。


ならねーよ。

幸せそうな彼女を、そんな目にあわせてどうするの?

僕だって嫁さんいるし。


改札で、握手して別れた。




その後、僕は香川県に引っ越した。


収入はそこそこあったし、物価が安くて賃貸の広い家を借り、仕事に邁進していた。


会えないとなると、ふみちゃんのことも薄れていっていた。



3年目、上司がかわってから僕の環境は一変した。


改革が嫌い、上司に取り入るのがうまい、

僕のような歯向かってくる(といっても、相手が間違えてるからだが)部下を潰そうとする。



最初は歯向かったりすかしたり、なんとかやっていたけど、しんどくなってきた。


病院で軽い鬱だと言われた。


嫁さんは一般的にはいい人なんだが、今も作家をしていて、ちょっと変わってる人。


この状況を話したところ、

「それは井原が悪いんだよ。気の持ちようでしょ」(嫁さんは未だに僕の名字を呼び捨てにする。)


「私は働くの嫌なの。しっかりお給料稼いできて」


この頃から、僕らは完全なるレス状態だった。


つきあって数回したこともあったけど、結婚後したかどうかも覚えてない。

健全なる20代男子だけど、僕にとってはそんなに重要ではなかった。

そりゃぁしたくないかと言われれば、したい。

只、できないから別れるとかそういう選択はなかった。


でも、香川県に引っ越すときベッドを分けたいといわれ、こう言われた。



「そういうこと(セックス)、もうしたくないから。外でしてきていいよ」




ショックだった。



心も離れてるように感じた。



子供は…貧乏学生どうしだから暫く作らないでおこうとは話し合っていた。


しないってことは、子供要らないって事だよね。


でも、そういうこと、一方的に言うものなのか?


妻と夫の立場が逆なら、妻はかわいそうと慰めてもらえるんだろうか。




そんなときhotmailのメッセンジャー機能で懐かしい名前の登録があった。


"かわっち"







ふみちゃんだった。


アイコンにかわいい赤ちゃん。





ダメモトでメッセージを送ってみる。



「久しぶり!元気にしてる?」



暫くして返信が来た。


『お久しぶりです。元気にやってますよ』


彼女の声が聞きたくなった。



「電話出来るときとか、ある?」

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