僕とふみちゃん

18年前に出会った僕たちは、再会しました。

電話

『もちろん、大丈夫です(^-^)子供が寝てるタイミングになっちゃいますけど。何かありました?』



「何もないと、電話しちゃダメ?僕はかわっちのことずっと好きやのに」



言ってしまった。


『あはは ありがとうございます。私も井原さんのこと大好きですよ。』



見事にスルーされた。


けど、ホッとしてる自分もいた。





数日後、研修の出張先からふみちゃんに電話してみる。

変わらない優しい声に癒される。

ふみちゃんのことを聞いても答えるのもそこそこに、自分が話すのは苦手だから話を聞かせてと言われ、暫く話した。


また、お茶でも使用ねと言って電話を切った。



それから時々、メッセンジャーで繋がれたときだけ会話した。


家が忙しくてパートを辞めなくてはいけないとかいっていたと思う。

僕は、何となく大変だなと思っていた位だった。




でも、このときからのフミちゃんの家は凄く大変な事になっていた。



義理のおばあちゃんが亡くなり、介護していた義母さんが亡くなり、家事を一手に担いながら育児とパート。

暫くして同居の義父さんが脳梗塞で倒れ、寝たきりになったのだった。


僕が彼女の近所に出張で赴く事になりメールした事があった。

「今、⚪⚪にいるんだけど、お茶でもしない?」


今ならわかる。こんな状況で今から出てきてって言われて、電車で一駅のところだって行けないって。

浅はかな僕。


その時も「ごめんなさい。都合が悪くて…」


と、辛いだろう自分の状況は話さなかった。





それでも追い討ちをかけるように彼女を不幸が襲う。










フミちゃんの旦那さんが、ガンになった。

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