閑話
ふみちゃんは、苦しい話を苦しそうに話さない。
でも、一度だけ、凄く辛そうに話してくれたことがあった。
同居の義父との仲を旦那さんとその兄弟に疑われてるというのだ。
耳を疑う話だ。
義父さんは実母と奥さんを同時期に亡くされて、ふみちゃんや孫さんたちを拠り所にされていた。
ふみちゃんもあんな感じだから、癒されるだろう事は想像に難くない。
しかも自分が脳硬塞になって、リハビリを頑張られて寝たきりにならなくてすんだからって、一人では暮らしていけない。
男は仕事があるから、ふみちゃんがお世話をすることになるんだろう。
そこに焼きもちを焼いて、男女の仲を疑うって何なんだ?
あきれてくる。
ふみちゃんの話によると
薬の副作用や治療の辛さで、思考が普段と変わってくることがあるんだそうだ。
実際、骨髄移植後に離婚を言い渡され、相当な暴言を吐かれたらしい。
そして、相当きつかったらしい。
いくら病気でも、そんなのって許されるの?
僕は、自分の行為を正当化するものを探していた。
そして、行動にでたんだ。