僕とふみちゃん

18年前に出会った僕たちは、再会しました。

未遂

いい香りがする。

髪も、首筋も。


ふみちゃんは強ばっていて抱きしめ返してはくれない。



背中や髪を撫で、首筋に唇を這わせる。

僕の息使いが早くなり、ふみちゃんに聞こえないか恥ずかしいくらいだ。


僕も久し振りのその行為にかなり興奮していた。


『…メ』


一旦 、体を離して彼女の顔を見る。


『ダメです』

首をふる。



無理だろ。



僕は、切れた。



彼女の唇を僕のそれで塞ぐ。


舌を侵入させ、味わう。


答えてくれないけど、執拗に。



首筋や胸元も。いい香りがする。



上着を脱がせたらノースリーブだった。


服の上から、触る。


抵抗されるから、キスする。


本気でいったら力では絶対彼女には分がないから優しく攻める。



本気で抵抗されるから、もう一度ぎゅっと抱きしめる。



「抱きてーーー!」


叫んでいた。


彼女はゆっくり抱きしめ返してくれた。



『私、胸ちっちゃいから恥ずかしいです』




そこ? 天然なのか計算なのか。





『井原さん、奥さんと仲いいんでしょ?』

こんな時でも僕の事考えてくれてる。



ぼくはレスの話、奥さんにこう言われてることをはなした。

信じてくれたかどうかはわからないけど。




『ありがとう。でも、ごめんなさい』



こうして、僕の決心は未遂に終わった。

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