閑話④
付き合いだして暫くした頃。
お子さんの話をしていたときの事だ。
ふみちゃんのお子さんは兄二人に歳の離れた妹さん。とても面倒をよくみてくれるので、ふみちゃんがたまに出かけたいというと、快くみててくれるらしい。
「僕は兄妹だけど、そんなことしなかったなぁ 」
『あ!柴咲コウ似のキレイな妹さんですよね?』
え?そんなこと話したっけ?
他にも、僕が小さい頃にした手術のこと
掛け持ちしてたバイトのこと
好きだったブランド
他にも、僕が覚えてないことを話してくれた。
ふみちゃんが幹事になった宴会の時の
矢野さんハグ事件もこの時に聞いた。
『私にも!』
って、思ったらしい(笑)
ふみちゃんは、旦那さんと高校の時から付き合っていて大好きだったので、他の男性を男としてみることが無かったそうだ。
それが、僕には違う感情が芽生えた。
でもだからってどうなるとかなく、
やっぱり旦那さんが好きな気持ちは変わらなかったし、お互い何も起こさないから何もなく過ぎていく。
ただ、僕はふみちゃんのこと好きだよーとか言うもんだから、気になって仕方なかったんだ。
少なくとも、他の男子よりは好意的に見られていたことは確かだった。
僕たちは、結婚する前にすでに同じ職場にいた。出会っては無かったけど。
ふみちゃんが結婚して妊娠し産休で僕が代わりにやって来た。
だから出会えたんだ。
結婚する前に会えてたらって考えるのはナンセンスだ。
今、この時間に感謝をして過ごしてる。
今でも時々、彼女が言うことがある。
『別れる時は言ってくださいね。自然消滅は、嫌です。』
僕は、意地悪してこう言う。
「ふみちゃんは、絶対にいい人が出来るよ。その時は言って」
するとふみちゃんは拗ねて
『どうして、そんな風に言うの?』
って言う。
(※僕たちはアラフォーです!)
かわいい。
まるで、おままごとなんだけど。
それが成立しているこの世界で、このままでいたい
僕の、わがままなんだろうか。