僕とふみちゃん

18年前に出会った僕たちは、再会しました。

閑話⑬

『ひろくんがね、私を救ってくれたの』


いつだったか、言われたことがある。



育児と義父の看護、ご主人の看護。

先の見えない苦しさと、自分の置かれてる状況から逃げたくても逃げられない、壊れるんじゃないかと思ったそうだ。


『自分の好きなようにしていいって、思えるようになったの。もう十分頑張ったーって。』



『ひろくんは、もう充分よくしてくれたでしょ? 返す日が来るかもしれない。もし今の関係がダメになっても、友達でいてくれる?』



「そんなこと言わないで。ふみちゃんはずっと僕の心の恋人だったんだよ?やっと僕は恋人になれたのに。」


『えー?心の恋人、いっぱいいるんじゃないの?ひろくん、言い方が軽いんだもん(笑)』



『私、自分が傷付きたく無いだけなの。恋人っていうと、別れたら辛いでしょ?きっと。もうそんな思いしたくない。』



そんなふうに言うのは、本心じゃないと思う

自惚れじゃなくて。



人のために生きすぎて来た、ふみちゃん。

僕がその生き方を少しでも柔らかくほぐしてあげたかったけど

僕といる限り、難しいのかもしれない


彼女が僕の事を好きでいてくれる限り。



ふみちゃんなら、きっと素敵なやつが現れるだろう


その時、僕は、どんなふうになるのか


それまでふみちゃんは僕の者でいて。

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