予兆
それから時々LINEするようになった。
仕事の帰り~病院への道は一人の自由なじかんだからと。
そして、会いたくなってくる。
「⚪月×日出張だから、またお茶する?」
『最近主人の具合が悪いから、難しいかも』
そのあと、忙しくて暫くLINEをしていなかった。
離れていたり、相手から連絡がないと、いつもそうだ。
僕の欠けているところだと思う。
僕は全然気にしてなかったが、ふみちゃんは忙しそうな僕にLINEするのが、とても気を使うみたいだった(未だに)
そして⚪月×日。
昼過ぎにふみちゃんから久々にLINEが来た。
『今日地元ですよね?夕方時間あいたてたりします?』
しまった!
僕は、あのあと連絡もとらず、ふみちゃんを放置してしまっていた。
僕が断りやすい、優しい彼女なりの訪ねかただった。
この頃の僕は、出張のたびにその土地の飲食店やバーに行くのを楽しみにしていた。
仕事柄、地方に友人も多かったので、出張となると、ほぼ誰かと約束していた。
その日も同様で、ふみちゃんに会っている時間がなかった。
「ごめん!今日は接待が入ってて会えないんだ。また、絶対会おう」
『そうですよね。約束もしてないのに、こちらこそごめんなさい。』
時間を作ってくれてたんだろう。
自分の適当さに嫌気がさす。
そして、会えたかもしれないのに会えなかった悔しさでいっぱいで
ますます会いたくなった。
次のアポを早々に決め、また地元出張にやって来ることが出来そうになった。