踏み出す
出張の日が決まると、すぐに連絡した。
そして、夕方からやってるバーにいってみないかと誘ってみた。
それならお茶するのと変わらない時間に、帰る事ができる。
ふみちゃんはバーに行ったことが無いという。
カクテルには元々興味があって、カクテルブックを読むのがスキだという。
しばし、カクテルの話に花が咲く。
未知の世界だと、嬉しそうにLINEしてきてくれる。
ふみちゃんにすこしでも、楽しい時間を持って貰えたら。
この時は、本当にその気持ちで一杯だった。
ある時、メガネの話になった。
ふみちゃんの旦那さんはメガネをかけている。僕もだった。
メガネを外すと凄く怖がられるらしい。
『そういえば、井原さんのメガネはずしたとこ記憶に無いです。』
「そりゃそうだよ。メガネはずすの、寝る時くらいだよ(笑)
髭あるけど、肌ケアはしっかりしてるしきれいなんだけど、見てみる?」
既読になるけど、チャット状態だったのに、スルーになったままになった。
あ、やば!
誘ってるみたい…いや、誘ってるよな
僕は、何を考えてるんだ。
『機会があったら、是非』
これは、スルーなのか
本気…なんだろうか。
「じゃあ井原のメガネはずして見る会 開催するよ?参加してね」
『(笑)』
40過ぎたおじさんのドキドキは、止まらなかった。