僕とふみちゃん

18年前に出会った僕たちは、再会しました。

決戦

決戦の日(約束の日)


出張の日は、アポの時間以外でもメールを送ったりデータを作成や確認したり、夜まで手が空かない事が多い。


このひも15時に待ち合わせ場所に間に合わない。

とりあえず、ホテルの部屋に来てとLINEする。

既読スルーだ。


困ってるふみちゃんが目に浮かぶ(笑)


「何にもしないから、おいでー」


すぐさま返事が帰ってくる。


『そんな風に思ってません!』



いや、警戒してくれなきゃ。

他の男だったら、どうするんだ?



程なくして、ふみちゃんがやって来た。

春にあった頃から半年ぶり、髪は少し短いけど安定の黒。スカートでふんわりなイメージだ。

でも、僕のイメージのふみちゃんよりだいぶ痩せていた。そして、あんな話を聞いてたせいか、凄く疲れて見えた。




「いらっしゃい。ちょっと待っててね。

仕事片付けるから」



『はい。急がなくて大丈夫ですよ』



僕は、メールをうちながらふみちゃんの様子を伺う。ガチガチだ。

僕から離れた遠くの椅子に座って、横を向いて外を眺めている。


「何にもしないから、ゆっくりして?(笑)」



『井原さんに、何かされるって思ったことないですよ(笑)』



※間違いなくアラフォー男女のやり取りですが、僕たちは真剣です(笑)




いやいや、警戒しろよな~

自信なくすよ



そして、無事何もなくバーへ。



地元でも有名な歓楽街で、大人の町。

近くのホテルもつかいやすくきれいで、出張の度にここを使っていた。


時々利用していた老舗バーへ。


テーブル席に向かい合って座る。


僕は、ウイスキーのソーダ割り

ふみちゃんにはその日のフルーツで、弱めのカクテルを作ってもらうスタイルにした。


以後、ふみちゃんはジンフィズ以外はこの特別注文がお気に入り。


緊張のおおもちだったけど、きれいなカクテルにいちいち喜んでいる。


僕も普段は頼まないマンハッタンやホワイトレディとかきれいなショートカクテルを頼んだ。


味見してもらって、残りを僕が飲む。


『私が口つけたの嫌じゃない?』


そういうのは、男が気にするんだよ。


「嫌なわけないよ。ふみちゃんは気にしすぎ!もっと自分の好きなように生きればいい。」


言ってしまった。



『自分の好きなように生きてますよ。自由に見えないかも知れないけど、私が選んだ道なんです。誰かに強制されてる訳じゃない』


『しんどいことも確かにあるけど、話を聞いてくれたり、こうやって井原さんみたいに心配して連れ出してくれる友人もいます』


『そういう風にできない病気の方の家族もたくさんいます。それを思えば、私は幸せな方です』



そんなことをいっていたと思う。


「出ようか」


そういってバーを出て、僕は宿泊先のホテルに向かった。

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