僕とふみちゃん

18年前に出会った僕たちは、再会しました。

ダブルワーク

三月。



僕は転職といっても、前職の会社から声をかけていただき、引き抜かれた形だった。

営業だし、外資系のノルマはきつかったけど

ふみちゃんの事を思うと頑張れる自分がいた。



でもやっぱり、離れていて会う日が決まってないと連絡をとらなくなる。



それでも何も言ってこないふみちゃんを、放置していた。


ふみちゃんは僕とやりとりするためだけのTwitterアカウントで、現状や気持ちを呟いていた。


それにリプライすることなく、いいねをするくらいだ。



上旬にお子さんの受験にかんしてはうまく言ったよと、直接連絡が来た。

でも、いつ会える?とはいってこない。



好きなのは、僕ばっかりだな。

そう思っていた。


4月1日。朝早くTwitterに呟きが投稿された。


『中洲で働くことになりました。時々よってね』



中洲は僕らの地元の歓楽街。ふみちゃんが住んでいる県内にある。



さすがにビックリしてLINEする。



「本気か?お酒飲めないと無理と思うけど?」




すぐ、既読になる。


『今日何日?』



あっ?!






エイプリルフール………


「騙されたーーー」




『ふふ。やったー』






何でこんなウソなんだ?と思ったが

まったく、嘘でもなんでもなかった。



クラブとかラウンジとか、一言も書いてない。


ふみちゃんは、中洲で、お土産として使われるケーキ屋さんで夕方ー夜中の仕事をきめてきていた。


週に2~3日そこで働いて、昼は病院で清掃の仕事。

そして、看護と介護と育児、家事。


「なんでそこなん?」




『井原さんに初めて中洲に連れてきてもらって、興味が湧いたの。夕方~夜の仕事も探してたし。やっぱり、接客が好きだし。


若いうちに出来たらよかったなぁ


うまくいったら井原さんにあえるかもしれないしね?』



僕は、なにも言えなかった。


ふみちゃんは僕の事、好きだよね。

僕は、ちゃんと伝えてない。




ふみちゃんを好きだって。

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